
タイルのカラー選びの基礎|選定ポイントと都市景観法・マンセル値について
タイル張りの仕上がりを左右する要素のひとつに「カラー」があります。どのカラーのタイルを使うかで、その場の雰囲気が決まるといっても過言ではありません。
では、タイルのカラーはどのように選ぶのが望ましいのでしょうか。
この記事では、タイルのカラー選びのポイントや都市景観法・マンセル値について解説します。顧客の要望に沿ったタイルを選ぶために、ぜひ最後までご覧ください。
目次[非表示]
タイルのカラーはどう選ぶ?押さえておきたいポイント
タイルのカラーを選ぶ際は、以下の3つのポイントを押さえるのが基本です。
理想のスタイルに合わせて選ぶ
タイルのカラーは、完成時の印象を左右する要素のひとつです。例えば、白系ならナチュラルな雰囲気に、モノクロ系ならモダンな雰囲気に、原色ならポップな雰囲気になります。顧客がどのようなスタイルを理想としているかによって適切なカラーは変わってくるため、あらかじめ丁寧にヒアリングすることが重要です。
周辺との調和を考慮する
タイルのカラーは、周囲との調和を考慮して選ぶことも大切です。
例えば、外装壁をタイル張りにする場合は、周りの建物や環境をよく確認したうえでタイルのカラーを選ぶのがおすすめです。顧客の好みだけでカラーを選択すると、周辺になじまず浮いてしまう可能性があります。
これは内装壁でも同様で、家具やインテリアとの調和を考慮してタイルのカラーを選ぶことで、統一感のある空間がつくれます。
必ず実物を確認する
タイルのカラーは主にカタログで確認できます。カタログには、一度でさまざまなタイルのカラーを見比べられるメリットがある一方で、実際に施工した際の色合いと感じ方が異なるというデメリットがあります。
また、最近はパソコンや携帯電話でカタログおよびメーカーのサイトを閲覧し、商品を検討する機会も増えていますが、ディスプレイで見ると色が変わって見えてしまいます。
そのため、タイルのカラーが知りたいときはサンプルを請求し、実物を確認することをおすすめします。屋内か屋外かでも色の感じ方が変わるため、施工部位に応じて確認してください。
外装壁タイルのカラー選びで押さえておきたい「都市景観法」とは
建物の立地によっては、外装壁タイルのカラーを「都市景観法」に基づいて選ぶ必要があります。
都市景観法とは、良好な景観づくりの促進を目的とした、景観計画とその他の策定をまとめた法律です。ここでいう「良好な景観」とは、その地域の自然や文化、歴史、生活、経済活動などの調和によって生み出される風景または眺めを指します。これらを保全することで、豊かな生活環境の創造と個性的で活力ある地域社会の実現を図ることを目的としています。
都市景観法に基づいて策定された景観計画の対象区域は「景観計画区域」と呼ばれます。この区域では、建築物・工作物の形態意匠(※)や高さの最高限度・最低限度、壁面の位置、敷地面積の最低限度などのうち、必要な項目に制限が設けられています。そのため、景観計画区域内の建物の外装壁をタイル張りする場合は、都市景観法に基づいたタイル選びが求められます。カラーに関して明確なルールが設けられていることもあるため、その場合は従わなければなりません。
※形態意匠とは、外観を構成する形状、模様、色彩などを工夫すること。
タイルのカラー表現は「マンセル値」が基本|仕組みを理解しよう
タイルのカラーは、基本的に「マンセル値」で表現されます。
マンセル値とは、色彩を数字で表現する表色体系です。色相・明度・彩度の組み合わせによってひとつの色を表現する仕組みになっています。
▼色相・明度・彩度の表現
項目 | 表現 |
色相 | マンセル値では、以下の10種類の色相が基本です。
これをさらに細分化するため、0〜10までの数値を組み合わせて分割しています。 |
明度 | 明るさを0〜10の数字で示します。数字が大きくなるほど明るくなる仕組みです。 |
彩度 | 彩度を数字で示し、数字が大きくなるほど鮮やかさが増す仕組みになっています。 |
マンセル値は「色相 明度/彩度」という形で表現され、仮に鮮やかな赤の場合は「5R 5/13」となるのが一例です。
タイルの色も基本的にこのマンセル値で表現されており、これがあることで色を客観的に伝えること、そして色に対し共通の認識を持つことが可能になります。
顧客と同じ認識のもと使用するタイルを決めるためにも、カラー選びの際はマンセル値を活用することが重要です。
なお、LIXILの「タイルマンセル値」では、タイルのマンセル値を検索できるだけでなく、指定した色相・明度・彩度に該当するタイルを検索することもできます。ぜひご活用ください。
カラー別にご紹介!LIXILのおすすめタイル
最後に、LIXILのおすすめタイルをカラー別にご紹介します。
暖色系
暖色系のタイルとしておすすめなのは『エコカラットプラス ヴィスト NX』です。ベージュ系の優しい色味と風合いはやわらかい日の光と相性がよく、心地よいリビング空間に仕上げます。
このほか、『ベスパ』もぜひご紹介したいタイルのひとつです。自然石の優雅な風合いを緻密に再現した外装床タイルで、大理石・砂岩・スレート・クォーツサイトの4つのテクスチャと豊富なカラーバリエーションを持っており、さまざまなデザインスタイルにご提案できる商品です。
寒色系
寒色系のタイルとしておすすめなのは『プレジャート』です。繊細なグラデーションや大胆な脈が特長の「希少石」をモチーフとしたタイルです。使い勝手のよい落ち着いたカラーのほか、ブルー系・グリーン系のカラーも揃っています。
『ドリップガラス』は、雫のような形状とガラスの透明感が相まって、水の流れのような表情を生み出すモザイクタイルです。白にブルー系と、カラーバリエーションも水を連想させるラインナップになっています。
白・黒
白・黒のタイルとしておすすめなのは『火色音(ひいろね)ひぼし』です。土本来の低彩度な色合いが壁面を優しい印象に仕上げ、街並みにも自然に溶け込みます。
『トリプレットガラス』も白・黒のタイルとしておすすめの種類です。透明なガラスの奥に凹凸を感じる3種類のレリーフが施された、大きめのガラスモザイクであり、ニュートラル系のカラーバリエーションと相まって、金属を思わせるデザインとなっています。
まとめ
この記事では、タイルのカラー選びについて以下の内容を解説しました。
- タイルのカラーを選ぶ際は「理想のスタイルに合わせて選ぶ」「周辺との調和を考慮する」「必ず実物を確認する」の3つを押さえることが重要
- 周囲との調和を考慮するために、屋外で使用するタイルには「都市景観法」という良好な景観づくりの促進を目的とした法律に準じる必要がある場合がある
- 顧客と客観的に色を共有するためには「マンセル値」を用いるのが適している
タイルのカラーは、施工後の雰囲気を決める重要な要素です。だからこそ、顧客の要望に応えられるよう、慎重に選ぶ必要があります。
今回ご紹介した内容は、どれもタイルのカラーを選ぶうえで押さえておきたい情報です。都市景観法は、景観計画区域内の建物の外装壁をタイル張りする場合に厳守しなければなりません。マンセル値に関しては、顧客と共通の認識を持ったうえでタイルのカラーを選ぶために知っておく必要があります。
どちらも専門的な内容のため、設計士・デザイナーが正しく理解し顧客に説明することが求められます。今回ご紹介した基本となる情報を押さえて、タイルのカラーを適切に選んでください。
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