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タイル作りに欠かせない「焼成」とは?酸化焼成と還元焼成への理解を深めよう

タイル作りにはさまざまなプロセスがあり、なかでも「焼成」はタイルの強度や表情に影響する重要な工程です。焼成には「酸化焼成」と「還元焼成」の2種類があり、それぞれについて理解を深めることで、お客さまのご要望に合ったタイルを適切に選べるようになります。

この記事では、タイルの「焼成」について解説します。目的や種類を知って、ぜひタイル選びにお役立てください。

目次[非表示]

  1. 1.タイル作りの「焼成」とは?目的と主な種類
  2. 2.タイルの2つの焼成方法|酸化焼成と還元焼成
    1. 2.1.酸化焼成
    2. 2.2.還元焼成
  3. 3.タイルの焼成窯について知ろう!主な3つの種類とは
    1. 3.1.シャトル窯
    2. 3.2.トンネル窯
    3. 3.3.ローラー窯
  4. 4.焼成方法別|LIXILの代表的なタイル
    1. 4.1.【酸化焼成】フェイブ OX
    2. 4.2.【還元焼成】フェイブ RE
  5. 5.まとめ

タイル作りの「焼成」とは?目的と主な種類

焼成とは、一般的には「原料を焼いて性質を変化させること」です。タイル作りにおいては「生素地を窯内で加熱処理し、石質にすること」を指します。

焼成の目的は、主に以下の3つです。

  • 強度を上げて、耐食性や耐摩擦性に優れた状態にする
  • 生素地に特定の色を付ける
  • 生素地から不要な物質を除去する

つまり、焼成はタイル作りのなかでも、強度・色・質を含めた仕上がりを左右する重要な工程といえます。

タイルの2つの焼成方法|酸化焼成と還元焼成

焼成は、窯内の酸素量によって「酸化焼成」と「還元焼成」の2種類に分けられます。それぞれで焼成後のタイルの表情が異なるため、どちらの方法で焼成しているかは、タイル選びの基準のひとつとなります。

酸化焼成

酸化焼成とは、燃料が完全燃焼するだけの十分な酸素を供給する焼成方法で、一般的な焼成方法です。酸化金属が素地や釉薬中の成分に溶け込んだり、反応して別の化合物に変わったりすることで呈色させます。

燃料を完全燃焼させるため、エネルギー効率がよいことも特徴です。

還元焼成

還元焼成とは、燃料が不完全燃焼になるよう、窯内への酸素の供給を制限する焼成方法です。窯内の酸素が不足するため、燃料が釉中または素地中の酸化金属の酸素を奪うのが特徴で、この過程での酸化金属構造変化により呈色が変化します。

燃料を不完全燃焼させるためエネルギー効率はやや悪くなりますが、炎の当たり方などで色が変化するため、心地よい焼きムラがある味わい深い仕上がりになります。

還元焼成では、特に鉄がFe2O3(赤~黄)からFe3O4(青~黒)に変わることで酸化焼成とは大きく色が異なります。例えば、酸化銅は酸化焼成で緑色に、還元焼成では赤色に変わったり、そのほかの顔料では還元焼成では発色しないものもあるなど、顔料と焼成条件の組み合わせで多種多様に変化します。

タイルの焼成窯について知ろう!主な3つの種類とは

タイル作りで使用する焼成窯は、主に「シャトル窯」「トンネル窯」「ローラー窯」の3つです。

シャトル窯

シャトル窯は、台車の上に生素地を並べて、 台車ごと窯の中に入れて焼き上げる仕組みになっています。後述するトンネル窯とローラー窯ではタイルを連続して焼成するため、焼成温度や焼成時間の調整が難しいですが、シャトル窯は台車ごとに焼成条件を変えやすいのが特徴です。少量のロット対応が可能なため、例えば特注のタイルを製造する際に使われます。

トンネル窯

トンネル窯は、タイルを積んだ台車がトンネル状になった窯内をゆっくり動くことで生素地を焼き上げる仕組みです。炎が一方向に流れるためブレや滞留が少なく、一定の焼成環境が保たれることから、均一で焼きムラの少ない仕上がりになります。大量生産向けの焼成窯といえます。

ローラー窯

ローラー窯は、生素地がローラーの上をすべりながら窯の中を移動することで焼き上がる仕組みです。基本的な構造はトンネル窯と同じですが、台車という大きな窯道具がない分、生素地に炎の熱が効率よく伝わります。これにより、最短30分・最長3時間ほどで焼き上がります。

焼成方法別|LIXILの代表的なタイル

最後に、同じ形状・同じ面状の商品で、焼成方法が異なるタイルをご紹介します。それぞれを比較して、お客さまのご要望に合うタイルを選んでください。

【酸化焼成】フェイブ OX

フェイブ OX』は、酸化焼成で作られた壁用タイルで、1枚の中の色のばらつきが小さいことが特長です。やわらかな色調が魅力で、ベージュ・ブラウン・ブラックを基調とした使い勝手のよいカラーバリエーションが揃います。濃い色と淡い色の2つの色合いを混合したデザインのため、落ち着いた雰囲気ながらも意匠を感じられます。

なお、フェイブ OXは接着剤張り・モルタル施工共用商品です。目地幅は縦8mm、横10mmを推奨しています。

【還元焼成】フェイブ RE

フェイブ RE』は、還元焼成で作られた壁用タイルで、タイルごとはもちろん、1枚のタイルの中でも色のばらつきがあることが特長です。煉瓦をイメージさせる色幅が特長で、焼きムラのグラデーションが内装壁・外装壁を魅力的に彩ります。ブラウンを基調とした全5種類のカラーバリエーションとなっており、それぞれで雰囲気が異なるため、お客さまのニーズに合わせて選べます。

なお、フェイブ REもフェイブ OXと同じく、接着剤張り・モルタル施工共用商品です。目地幅は縦8mm、横10mmを推奨しています。

まとめ

この記事では、タイルの焼成について以下の内容を解説しました。

  • タイル作りにおいて焼成とは、生素地を窯内で加熱処理し、石質にすること
  • 焼成は、強度・色・質を含めたタイルの仕上がりを左右する重要な工程
  • 酸化焼成とは、窯の通気をよくして、燃料が完全燃焼するだけの十分な酸素を供給する焼成方法
  • 還元焼成とは、燃料が不完全燃焼になるよう、窯内への酸素の供給を制限する焼成方法
  • タイル作りで使用する焼成窯は、主に「シャトル窯」「トンネル窯」「ローラー窯」の3つ

タイル作りに欠かせない「焼成」は、タイルの強度や表情を左右する重要な工程です。酸化焼成と還元焼成の2つがあり、それぞれで焼成後のタイルの仕上がりは異なります。そのため、設計事務所・デザイナー事務所としてタイルの焼成方法への理解を深めることはとても大切なことといえます。今回ご紹介した内容を、ぜひこれからのタイル施工にご活用ください。

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