
乱形石・タイルとは|施工するメリット・デメリットと美しく仕上げる施工方法をご紹介
エクステリアやアプローチのデザインにおいて、自然な表情と力強さを演出できる「乱形(らんけい)」の石材やタイルは、特別感のある空間を作り出すための選択肢のひとつです。一方で、定形サイズではないからこそ、設計段階での割付けや施工現場での繊細な調整が仕上がりのクオリティを左右します。
この記事では、乱形の特徴や施工に適した部位、メリット・デメリット、そしてLIXILの『乱形』を用いた場合の施工手順と注意点について解説します。
目次[非表示]
- 1.「乱形」とは?主な施工部位を知ろう
- 2.乱形の石材やタイルを施工するメリット・デメリット
- 2.1.メリット
- 2.1.1.機能性が高い
- 2.1.2.温かい雰囲気になる
- 2.1.3.個性的なデザインに仕上がる
- 2.2.デメリット
- 3.LIXILの「乱形」とは|施工方法と押さえておきたい注意点
- 3.1.部位別|推奨下地・施工方法
- 3.2.乱形を施工する際の注意点
- 4.まとめ
「乱形」とは?主な施工部位を知ろう
乱形とは、正方形や長方形のような規格形状ではなく、不規則な多角形状に切り出された形態を指します。ピースごとに輪郭が異なるため、石材やタイルの施工においては張り上げた面に規則的な目地ラインが出にくく、素材の自然な表情が現れます。
乱形の石材やタイルは外構で採用されることが多く、主に視線を誘導したい場所や素材感を強調したい壁面で使われます。施工部位によって下地や勾配計画が変わるため、想定用途を先に整理するのがポイントです。
▼乱形の石材やタイルが採用されやすい施工部位
乱形の石材やタイルを施工するメリット・デメリット
乱形の石材やタイルは意匠性だけでなく、天然石由来の機能性も持ち合わせています。一方で、設計・施工時に考慮しておきたい点もあります。
メリット
乱形の石材やタイルを施工するメリットは、主に以下の3つです。
機能性が高い
外構は、雨風や紫外線などの日常的な外的負荷にさらされることが多いため、耐久性の高さを前提に検討するのが一般的です。
天然石を素材とした乱形の石材やタイルは、外部環境における耐久性・耐火性・耐熱性に優れています。外部で長期間使用しても劣化が少なく、乱形石は経年変化も味わいとして楽しむことができます。
温かい雰囲気になる
乱形の石材やタイルはピースが不定形で、面に規則性が出にくいことが特徴です。目地ラインが均一に揃わないため、均質な印象になりにくく、自然素材に近いラフな表情が生まれます。また、自然界に存在する石目や色幅が、空間に柔らかさと温かみをもたらします。
個性的なデザインに仕上がる
乱形石の場合、同じピースは2つとして存在しません。また、ピースの組み合わせ次第で印象が変わるため、現場ごとに世界に1つだけのデザインが完成します。
規格形状のタイルのように反復パターンが強調されにくいため、自然な立体感や表情の変化を楽しめます。
デメリット
乱形石は天然石を素材として使用しているため、製品やロットによって色幅・石目模様・細かな亀裂が含まれることがあり、均一な色味や柄を求める場合には不向きになることがあります。そのため、乱形石を採用する際は、仕上がりイメージを「一枚の完成形」ではなく「面としてのばらつき」を含めて想定することが重要です。
LIXILの「乱形」とは|施工方法と押さえておきたい注意点
LIXILでは、天然石を割ったままの形状と風合いが特長の『乱形』を提供しています。カラーは「サントメ クォーツ」と「ダイヤモンド ホワイト」の2種類となっており、自然そのままの温かみを演出できます。
『乱形』を施工する際は、マニュアルに沿って下地と張り方を計画します。
部位別|推奨下地・施工方法
施工部位によって、推奨下地と適切な施工方法は異なります。
▼施工部位別の推奨下地と適切な施工方法
セメントペースト張りは、床のコンクリート下地に固練りのバサバサモルタルを敷き、『乱形』を仮置きして叩き込みながら面調整したあとに、セメントペーストを用いて張付ける工法です。
点付け施工は、『乱形』の裏面にエポキシ系接着剤(ESK-E-81)を点状に盛り付け、面調整をしながら施工していく工法です。
改良積上げ張りは、精度よいモルタル下地を作製し、『乱形』の裏面に張付けモルタルを塗り、積上げながら施工していく工法です。
それぞれの詳しい施工手順は「乱形 施工マニュアル」にまとめています。作業をする前にぜひご確認ください。
関連資料:
乱形を施工する際の注意点
『乱形』を施工する際は、以下の点に注意が必要です。
- 施工前に仮並べをして色合い・模様などのバランスを整える
- 床に施工する際は張りしろを十分にとって段差が生じないように施工する
- 白系の石材には白セメントを用いる
- 層状に剥離した空隙がある場合は、施工時に強制的に剥がす
- 石材の強度にはばらつきがあるため、裏面に空隙ができないように圧着する
- 目地幅は最低でも6mm以上とする
- 目地幅が15mmを超える場合は、セメント:砂の比が1:2の現場調合目地を使用する
- モルタル施工時は稀にモルタル灰汁を吸って変色することがあるため、石材を清水で十分湿らせてから施工する
まとめ
この記事では、乱形石・タイルについて以下の内容を解説しました。
- 乱形とは、不規則な多角形状に切り出された形態のこと
- 乱形の石材やタイルは、アプローチや門柱、駐車場などの外構に適切
- 乱形石は耐久性・耐火性・耐熱性が高いが、天然石ゆえの色幅や模様の差がある
- 施工の際は現場で仮並べを行い、厚みの差による段差を徹底して排除する
- 裏面に空隙を作らない確実な圧着施工が、剥離や破損を防ぐポイント
乱形の石材やタイルの採用は、建築物における玄関アプローチや門柱などの視覚的な重要部位に、重厚感と温かみをもたらします。また、規則的な目地ラインが出にくいため、自然な表情と個性を演出しやすいのも特長です。
一方で、乱形石は天然石特有の色幅や石目、亀裂などの個体差が含まれるため、面としての仕上がりを想定することが重要です。施工現場での丁寧な仮並べと緻密な高さ調整が、仕上がり品質を高める鍵となります。
LIXILの『乱形』を用いて、部位ごとに推奨される施工方法を遵守することで、意匠性と耐久性を両立させた空間を実現できます。ぜひ利用をご検討ください。
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