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タイルの強度とは?影響する2つの指標と各種試験について解説


タイルの強度に対して「れんがと比べてどうなのか」「強度面での品質管理はどのように行われているのか」などと気になっている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、タイルの強度に影響する指標とともに、タイルの強度を測る試験について解説します。ぜひ参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.タイルの強度に影響する2つの指標
    1. 1.1.曲げ強度
      1. 1.1.1.曲げ破壊荷重
    2. 1.2.圧縮強度
  2. 2.タイル表面の耐摩耗性を測る試験
    1. 2.1.耐素地摩耗性試験
    2. 2.2.耐熱衝撃性試験
    3. 2.3.耐貫入性試験
    4. 2.4.耐凍害性試験
    5. 2.5.耐薬品性試験
    6. 2.6.耐滑り性試験
  3. 3.まとめ

タイルの強度に影響する2つの指標

タイルの強度に影響する指標は、主に以下の2つです。

  • 曲げ強度
  • 圧縮強度

それぞれについて詳しく解説します。

曲げ強度

曲げ強度とは、両端を固定したタイルの中心部に荷重を加えたときの破壊の強さ、つまり「タイルが折れ曲がるまでにかかる力」を表す指標です。

曲げ強度は、基本的に素材の材質や形状、厚さに影響します。例えば、天然石は曲げ強度が比較的小さい材質です。もちろん、天然石の種類にもよりますが、なかでも自然の亀裂が存在する大理石は特に曲げ強度が小さいといえます。

一方で、タイルは曲げ強度が比較的大きい素材です。曲げ強度が大きいことは、すなわち「靭性が高い」ということになるため、外部からの圧力に強く、破壊しされづらいといえます。

曲げ破壊荷重

曲げ強度と関連する指標に、JIS製品規格の「曲げ破壊荷重」があります。曲げ破壊荷重は、タイルの端から約5mmのところに支持棒を置き、タイルの中央に荷重をかけたときの破壊荷重を、タイルの幅1mmに換算したときの破壊荷重です(ただし、各辺が35mm以下のタイルには適応しません)。
曲げ破壊荷重は、タイルの使用部位ごとに最低値が決まっています。

▼タイルの使用部位ごとに見る曲げ破壊荷重

使用部位

タイル表面の面積

曲げ破壊荷重(N)


屋内壁

108以上

屋内床・浴室床

540以上

屋外壁

  • モルタル張り用
  • タイル先付けプレキャストコンクリート工法用
  • 接着剤張り工法

60cm2以上

720以上

60cm2未満

540以上

屋外床

60cm2未満

540以上

60cm2以上


1080以上

圧縮強度

圧縮強度とは、タイルを軸方向(上下または左右)から押しつぶしたときの強度、つまり「圧縮する力に対してどのくらい耐えられるか」を表す指標です。

タイルは圧縮強度が大きい素材であり、その理由にはタイルの製造方法が関係しています。タイルの製造方法には、乾式製法と湿式製法の2つがあります。細かな過程はそれぞれ異なりますが、いずれも最終的には原料を焼成します。この焼成工程によりタイルは緻密な構造になるため、圧縮強度が大きくなります。

この点から、タイルは人やものの重さによる圧力にも強く、壁だけでなく床にも広く使われます。

タイル表面の耐摩耗性を測る試験

タイル表面の耐摩耗性を測る試験規格によって担保されています。耐摩耗性試験は、使用部位が屋外床および屋内床のタイルに適用されます。以下で、試験規格をご紹介します。

耐素地摩耗性試験

耐素地摩耗性試験では、鋼製ディスクをタイルに押し当て、ディスクを回転させながらタイルとの間に研磨材料を落下させます。ディスクを150回転させたあとのタイルの摩耗体積(mm3)を測ることで強度を確認します。

耐表面摩耗性試験

耐表面摩耗性試験では、タイルの表面に鋼球・砂・水を入れた容器を置き、ふたをして、容器を偏心回転させます。一定回数ごとにタイルを取り出し、変化が認められるかどうか目視観察します。最初に変化が認められた回転数に応じて0〜5の6段階にクラス分けします。当事者間の協定がある場合に測定します。

耐熱衝撃性試験

耐熱衝撃性試験は、急激な温度変化による熱衝撃を受けたとき、タイルに異常が生じないかを確認する試験です。主にカウンタートップのような、局部的な熱衝撃を受ける箇所に使用するタイルに適用されます。

試験では、タイルをオーブンで熱したあと110°C以上の温度差のある清水中に入れて、割れや貫入などの欠点があるかどうか目視観察します。

耐貫入性試験

耐貫入性試験は、長年の使用でタイルの施釉面に貫入が生じないかを確認する試験です。装飾のために貫入を施したタイルには適用しません。

試験では、まず1MPaの圧力のオートクレーブのなかで施釉タイルを1時間保持します。その後、圧力を常圧まで下げて、放冷後に施釉タイルを取り出し、貫入が生じたかどうかを目視観察します。

耐凍害性試験

耐凍害性試験は、凍害の恐れがある場所に使用するタイルに適用されます。

試験では、まず清水中で自然吸水させたタイルを「凍結状態」と「散水で融解させた状態」にします。これを100回繰り返し(気中凍結気中融解法)、タイルの表面や裏面、端部のひび割れ、素地または釉薬のはがれなどの欠点が生じていないか目視観察します。

耐薬品性試験

耐薬品性試験は、塩化アンモニウムや次亜塩素酸ナトリウム、塩酸、クエン酸、水酸化カリウムなどの薬品による影響がないかを確認する試験です。

試験では、薬品水溶液にタイルの約半分を漬けて、漬けた部分と漬けない部分の変化の有無を比較し、記録します。

耐滑り性試験

耐滑り性試験は、水濡れする場所の床に使用するタイルに適用されます。土足歩行の場合はC.S.R、素足歩行の場合はC.S.R・Bで評価します。これらはタイルの表面に泥水(濃・淡)や雨水を想定した試験液をまいて、785Nの鉛直荷重をかけた滑り片を斜め上方に引っ張り、すべり始めたときの抵抗(引張荷重:PN)を鉛直荷重で除して求めます。なお、基準値はありません。

まとめ

この記事では、タイルの強度について以下の内容を解説しました。

  • タイルの強度に影響する指標は、主に「曲げ強度」と「圧縮強度」の2つ
  • タイルの強度を測る試験には「耐摩耗性試験」「耐熱衝撃性試験」「耐貫入性試験」「耐凍害性試験」「耐薬品性試験」「耐滑り性試験」などがある

タイルの強度は「曲げ強度」と「圧縮強度」の2つの指標で表されます。曲げ強度はタイルの材質や形状、厚さによって変わり、例えば天然石は小さく、セラミックは大きい傾向にあります。

これに加えて、タイルは強度を測る試験規格によって品質が担保されています。さまざまな状況を想定して試験が行われるため、内外装壁や床と広く使用できます。

強度も考慮して建材を選ぶのであれば、ぜひタイルも選択肢のひとつとして検討してみてください。

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