
タイル用接着剤の種類と選び方|適切な接着剤でタイルをしっかり張付けよう
タイルを張る際に使用する接着剤には、さまざまな種類があります。タイルの種類や下地、施工部位に応じて適切な接着剤を選ぶことが、仕上がりや耐久性を高めることにつながるため、接着剤についても理解を深めておくことが重要です。
この記事では、タイル用接着剤の主な種類やタイル用接着剤を選ぶ際のポイントについて解説します。合わせて、LIXILのおすすめ商品もご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
タイル用接着剤の主な種類
タイル用接着剤は、主に「有機系接着剤」と「セメント系材料」の2つに分けられます。
有機系接着剤
有機系接着剤は、コンクリートやモルタル、ALCパネル、押出成形セメント板、ボード系など、さまざまな下地に使用できる接着剤です。外装用と内装用があり、どちらも成分は変成シリコーン樹脂系が主流となっています。
有機系接着剤はそのまま使用でき、現場にて水で練り混ぜる必要がありません。タイルを張る際の手間をひとつ省ける点は、有機系接着剤の強みといえます。
セメント系材料(既製調合・現場調合モルタル)
セメント系材料は、セメントに珪砂(けいしゃ)をはじめとする骨材や混和剤を調合した接着剤です。コンクリートやモルタル、ALCパネル、押出成形セメント板
などが、適用下地となります。
既製調合と現場調合の2種類があり、前者の場合はメーカーでセメントに骨材や混和剤を調合しているため、現場では水で練り混ぜるだけで使用できます。一方で後者の場合は、材料を一つひとつ調達して現場で調合から行う必要があります。
タイル用有機系接着剤の主な成分
有機系接着剤の成分は主に4つに分けられ、それぞれで特長が異なります。
合成樹脂系エマルション形
合成樹脂系エマルション形とは、アクリルエマルションを主成分としたもので、その他の樹脂、添加剤、充塡剤などを配合したものです。。耐候性や耐化学薬品性に優れていることから、接着剤のほか、塗料やコーティング材にも使われています。
合成樹脂系エマルション形の有機系接着剤は、スピーディーに硬化するものが多く、手直しもしやすいため、作業性が高いのが特長です。湿気の影響を受ける場所を除き、さまざまな場所で使用できます。
エポキシ樹脂系
エポキシ樹脂とは、分子内にエポキシ基を2個以上持つ化合物の総称で、熱硬化性樹脂のひとつです。硬化剤を混ぜると硬化するという特性から、接着剤のほか、塗料や成形材料にも使われています。
エポキシ樹脂系の有機系接着剤は、粘着力に優れ高強度なうえに、耐水性・耐熱性・耐薬品性も高いのが特長です。そのため、洗面所やトイレ、キッチンなど水回りでの使用に適しています。
ウレタン樹脂系
ウレタン樹脂とは、分子内にウレタン結合を持つ化合物の総称で、主に接着剤やコーティング材、弾性材料に使われています。ゴム弾性や耐摩耗性、耐油性に優れているのが特長です。
ウレタン樹脂系の有機系接着剤は、エポキシ樹脂系に比べて硬化した皮膜がやわらかく、柔軟性に優れています。また、下地水分等による接着力の低下が水系接着剤より少ないため、水回りでも使用しやすいのが特長です。
変成シリコーン樹脂系
変成シリコーン樹脂とは、シリコーン樹脂とほかの樹脂を組み合わせて変成させたものであり、接着剤のほか、シーリング材としても使われています。
変成シリコーン樹脂系の有機系接着剤は、硬化後の弾力性に優れていることから、衝撃や振動に強いタイル張りを実現できます。また、さまざまな下地に対応できるため、使い勝手がよいのも特長です。
タイル用接着剤を選ぶ際のポイント
タイル用接着剤は、以下のポイントを踏まえて選ぶことが重要です。
- 何を張るか|タイルの種類
- 何に張るか|下地
- どこに張るか|施工部位
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
何を張るか|タイルの種類
どのタイルを張るかによって、適切な接着剤は異なります。
例えば、比較的重量がある大形タイルを張る場合は、粘性が高く、タイルの重量でズレ落ちしない接着剤が適切です。タイルの重量や大きさによって、接着剤の適性がかわってくるので、張るタイルに適した接着剤を選ぶことが重要です。
石材やガラスモザイクなど接着剤が透過することで見栄えに影響がある場合があるので、灰白色や白色の接着剤で張るのがおすすめです。
何に張るか|下地
どの下地に張るかによっても、適切な接着剤は異なります。
例えば、モルタル下地には有機系接着剤・セメント系材料の両方が使用できます。有機系接着剤に関しては、合成樹脂系エマルション形やエポキシ樹脂系が適切です。
一方でボード系下地には、有機系接着剤を使用するのが一般的です。基本的にセメント系材料は使用できないため、ご注意ください。
どこに張るか|施工部位
施工部位によって環境は異なるため、接着剤選びではどこに張るかも重要なポイントになります。
例えば、雨や風の影響を受ける外装壁にタイルを張る場合は、弾性に優れた接着剤が適切です。そのうえ、紫外線や水にも強いタイプだとなおよいといえます。
内装壁や内装床にタイルを張る場合は、においが少ない接着剤が適切です。施工後に独特なにおいが残ると、住民や利用者の居心地に影響を及ぼしかねないため、使用前に確認しておくことをおすすめします。
おすすめのタイル用接着剤
LIXILでは、さまざまな種類のタイル用接着剤を取り扱っています。そのなかでも、特におすすめの3つの接着剤をご紹介します。
内装タイル用接着剤 イナメントA-51N
『内装タイル用接着剤 イナメントA-51N』は、アクリルエマルションを主成分とした内装用有機系接着剤です。適用タイルは300mm角以下の内装タイル、施工方法は全面接着剤張りとなっています。耐水性に優れているため、キッチンやトイレなどの水回りでの使用も可能です。
ワンパックボーイR-V2スーパー
『ワンパックボーイR-V2スーパー』は、RCやモルタル下地専用の屋外壁用弾性接着剤です。主に、モルタルや押出成形セメント板、ALCパネルのいずれかの下地に全面接着剤張りでタイルを張付ける際に使用します。コテ伸びがよく、作業性に優れているのが特長です。
外装用張り付け材 イナメントタフⅠ・Ⅱ
『外装用張り付け材 イナメントタフⅠ・Ⅱ』は外装用既製調合モルタルです。適用タイルはモルタル張り用タイルであり、タフⅠは小口平以上、タフⅡはモザイクタイル専用となっています。施工方法もそれぞれで異なり、タフⅠは密着張り・改良圧着張り・圧着張り、タフⅡはマスク張り・モザイクタイル張りに対応しています。
まとめ
この記事では、タイル用接着剤について以下の内容を解説しました。
- タイル用接着剤は「有機系接着剤」と「セメント系材料」の2つに大別できる
- タイル用有機系接着剤の主な成分は「合成樹脂系エマルション形」「エポキシ樹脂系」「ウレタン樹脂系」「変成シリコーン樹脂系」の4つ
- タイル用接着剤は「何を張るか」「何に張るか」「どこに張るか」を軸に選ぶことが重要
タイル張りで使用する接着剤には、さまざまな種類があります。どのタイルをどの下地に、またどの施工部位に張るかで適切な接着剤は異なるため、今回ご紹介したポイントを押さえて慎重に選んでみてください。
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