
部位別に見るタイルの施工方法|外装・内装・床で変わるタイルの張り方とは
タイルの施工方法と一言でいっても、その種類はさまざまです。主に「どこにタイルを施工するか」で適切な施工方法は変わってくるため、部位別に基本的な施工方法を理解しておくことが重要です。
この記事では、タイルの施工方法を部位別に解説します。外装・内装・床で異なるタイル張りの基本を押さえましょう。
目次[非表示]
- 1.外装タイルの施工方法
- 2.内装タイルの施工方法
- 3.床タイルの施工方法
- 3.1.圧着張り
- 3.2.改良圧着張り
- 3.3.セメントペースト張り
- 3.4.全面接着剤張り
- 4.まとめ
外装タイルの施工方法
外装タイルの施工方法には、主に以下の3つがあります。
- 手張り工法
- PC板先付け工法
- 乾式工法
それぞれの特長は以下のとおりです。
手張り工法
手張り工法(湿式工法)とは、有機系接着剤やモルタルを使って下地にタイルを張付ける工法です。その名のとおり、タイルを1枚ずつ手で張るのが特長で、内外装の壁・床によく用いられます。
手張り工法は、主に「接着剤を使用する場合(接着剤張り)」と「モルタルを使用する場合(モルタル施工)」の2パターンに分けられます。
接着剤張りでは、接着剤層の弾性により発生応力を緩和することで、タイルの剥離が発生しにくくなります。モルタル施工では、躯体や下地の動き、温度変化などにより発生する応力に耐えられるよう強固にタイルを接着させることで剥離が発生しにくくなります。
PC板先付け工法
PC板先付け工法とは、型枠にタイルまたはタイルユニットを敷き並べて固定し、コンクリートを流し込んでコンクリートとタイルが一体化したPC板を造り、それを建材として外装壁に使用する工法です。手張り工法が困難なケース、例えば高層ビルの建築時によく用いられます。
PC板先付け工法には「タイルシート法」「タイル単体法」「S-PC工法(絶縁工法)」といった種類があり、これらはタイルのサイズによって使い分けるのが一般的です。タイルシート法に使うタイルのサイズが最も小さく、タイル単体法・S-PC工法の順に大きくなります。
乾式工法
乾式工法とは、金具やビスを使ってタイルと下地を留め付けたり、金具と接着剤を併用してタイルを張る工法です。モルタルを使わない点が大きな特長です。
乾式工法には、突起のある下地にタイルの裏面を引っ掛けたのち接着剤で張付ける「引掛け工法」と、金具と接着剤を併用してタイルを張る「部分弾性接着剤張り」、下地に接着剤でタイルを直に張付ける「接着剤張り」の3種類があります。引掛け工法は施工効率が高く、接着剤張りは仕上がりが美しく高強度に仕上げられます。
内装タイルの施工方法
内装タイルの施工方法としては「有機系接着剤張り」が主流です。ボード系を含むさまざまな下地に適用するため、汎用性に優れています。また、モルタルに比べて接着力が安定しているうえに、弾性率が低く下地の動きに追従しやすいことから、タイルの剥離やひび割れなどの損傷が生じにくいのが特長です。
有機系接着剤張りには、主に「全面接着剤張り」「両面塗布全面接着剤張り」「点付け施工」「部分弾性接着剤張り」の4種類があります。
種類 |
特長 |
全面接着剤張り |
下地にくし目ごてで有機系接着剤を塗り、タイルをもみ込むようにして張付ける工法です。 |
両面塗布全面接着剤張り |
下地にくし目ごてで有機系接着剤を塗り、かつタイルの裏面にも裏あしを埋めるように接着剤を塗り付け、タイルをもみ込むようにして張付ける工法です。 |
点付け施工 |
タイルの裏面に有機系接着剤を点状に塗り、下地にタイルをもみ込むように張付ける工法です。 |
部分弾性接着剤張り |
300mm角以上の大形タイルに弾性接着剤を線状に塗り、押し付けて張付ける工法です |
なお、下地がモルタル下地の場合は「モルタル張り」を用いることもあります。その名のとおり、接着剤として張付けモルタルを使用するのが特長です。
床タイルの施工方法
床タイルの施工方法には、主に以下の4つがあります。
- 圧着張り
- 改良圧着張り
- セメントペースト張り
- 全面接着剤張り
それぞれの特長は以下のとおりです。
圧着張り
圧着張りとは、下地に張付けモルタルを塗り、タイルを張付ける工法です。主に600mm角以下のタイルに適用されます。300mm角以上の大形タイルに用いられることもあり、くし目高さが10mm以上のくし目ごてで張付けモルタルを塗り、タイルを張るのが一般的です。
改良圧着張り
改良圧着張りとは、下地に塗った張付けモルタルが固まらないうちに、裏面に張付けモルタルを塗ったタイルを張付ける工法です。主に200mm角以上のタイルに用いられます。下地とタイルの両方に張付けモルタルを塗っているため、高い安全性が期待できます。
セメントペースト張り
セメントペースト張りとは、下地に敷きモルタルを敷き、セメントペーストを流したのち、タイルをたたき押さえながら張り付ける工法です。20mm厚以上、または裏あしのある14mm厚以上のタイルに適しています。
全面接着剤張り
屋内床の施工方法で、下地にくし目ごてで接着剤を塗り、タイルをもみ込むようにして張付ける工法です。コンクリートやモルタル下地、合板、二重床下地など、さまざまな下地に適用するため、高い汎用性が特長といえます。
まとめ
この記事では、タイルの施工方法について以下の内容を解説しました。
- 外装タイルの施工方法は、主に「手張り工法」「PC板先付け工法」「乾式工法」の3つ
- 内装タイルの施工方法としては「有機系接着剤張り」が主流
- 床タイルの施工方法は、主に「圧着張り」「改良圧着張り」「セメントペースト張り」「全面接着剤張り」の4つ
タイルの施工方法は、外装・内装・床などの施工部位によって異なります。そして、そこからさらに使用するタイルや下地に応じて細分化されます。
施工方法は、タイル張りの仕上がりを左右する要素のひとつであるため、施工部位別にどのような種類があるのかをよく理解し、目的に応じて適切な工法を選択できるようにしてください。
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