
タイルの下地処理の必要性|主な施工方法と注意したいポイントについて
タイルを張る際に欠かせない作業のひとつに「下地処理」があります。タイル張りの仕上がりはもちろん、その後の耐久性にもかかわる重要な作業なため、施工方法や注意点を理解しておくことが重要です。
この記事では、タイルの下地処理にフォーカスし、必要性や主な施工方法、注意したいポイントについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
タイルの下地処理とは?なぜ必要?
タイルは基本的に、壁や床などの施工部位に下地を作成したのち、接着剤やモルタルを使って張付けます。このとき、必要になる作業が下地処理です。
- 下地を作成する前に躯体(コンクリートなど)を処理する(※)
- 下地そのものを処理する
下地処理は上記の2パターンに大きく分けられ、どちらも躯体と下地、下地とタイルの密着性を確保するうえで欠かせません。
例えば、コンクリートにタイルを張る場合は、コンクリートのツルツルとした表面を下地処理によって意図的に粗くします。微細な凹凸を作ることで、その上に塗り造る下地の密着性が高まり、躯体と下地界面での剥離を防止しやすくなります。
下地そのものの処理では、吸水調整や汚れの除去を行ったり段差をなくして平滑にしたりすることで、下地とタイルの密着性を高めます。これにより、タイルの剥離を防ぎやすくなります。
タイルの下地処理は、タイル張りを美しく仕上げるだけでなく、張ったあとのトラブルを防ぐためにも重要な作業です。そのため、どのように施工し、どのような点に注意しなければならないか知っておく必要があります。
※下地処理のほか「目荒らし」とも言う。
下地処理(目荒らし)のパターン|主な2つの施工方法
下地処理(目荒らし)の施工方法は、主に「MCR工法」「高圧水洗目荒らし工法」の2つです。それぞれに異なる特長があるため、違いを理解しておくことをおすすめします。
1.MCR工法
MCR工法は、コンクリートとモルタルとの界面剥離を防止するために開発された工法です。外型枠に気泡緩衝材を取り付けてコンクリートを打設し、コンクリート表面に凹凸を形成することで、モルタルとの密着性を高めます。
2.高圧水洗による目荒らし工法
吐出水圧が50〜150MPa(500〜1500kgf/cm2)程度の水でコンクリート表面の汚れや脆弱層、型枠剥離材を除去するとともに、その表面を目荒らしすることで、モルタルとの密着性を高める工法です。
高圧水洗による目荒らし工法には、「高圧水洗目荒らし工法」と「超高圧水洗目荒らし工法」の2つがあり、それぞれで使用するノズルや吐出水圧が異なります。
▼高圧水洗による目荒らし工法の種類
種類 | 特徴 |
高圧水洗目荒らし工法 | 扇形ノズル(1穴)を使用し、吐出水圧が50MPa程度の水でコンクリートの表面を全体にわたって剥がす工法です。 |
超高圧水洗目荒らし工法 | 吐出水圧が150MPa程度の水でコンクリートの表面にキズをつけていく工法です。多孔ノズル(12穴)を使用する点が、高圧水洗目荒らし工法との違いです。 |
高圧水洗による目荒らし工法で使用する高圧水洗機には、作業内容に合わせて圧力・流量を調整できるものを選ぶことをおすすめします。
仕上がりに影響する?!下地処理で注意したい4つのポイント
下地そのものの処理を指す下地処理では、以下でご紹介する4つのポイントに注意する必要があります。
1.吸水調整を行う
モルタルでタイルを張る場合、張付けモルタルに含まれる水分が急激に下地に吸水されると、硬化不良が起きてしまいます。そのため、必要に応じて下地に水分を加えたり、吸水調整材を使ったりして調整することが重要です。
2.平滑にする
下地が凹凸していると接着剤やモルタルの塗布量が均一にならず、接着不良を招くほか、タイルの仕上げ面に段差ができて見た目にも影響します。そのため、凹凸ができないよう下地を平滑にすることが大切です。
3.下地の浮きや亀裂をなくす
躯体と下地の間に浮きがあると剥落につながる危険性があるため、検査を行い、下地を作成し直す必要があります。また、亀裂などがあった場合も補修しておくことが重要です。
4.汚れを取り除く
下地に塵埃をはじめとする汚れがあることも、タイルの接着不良につながる原因のひとつです。上述した3つの作業と合わせて、汚れの有無を確認することをおすすめします。
まとめ
この記事では、タイルの下地処理について以下の内容を解説しました。
- タイルの下地処理には「下地を作成する前の躯体(コンクリートなど)の処理」「下地そのものの処理」の2つがある
- 下地処理は、躯体と下地、下地とタイルの密着性を高めると同時に、張ったあとのトラブルを防ぐために重要な作業
- 下地処理(目荒らし)の施工方法は、主に「MCR工法」「高圧水洗目荒らし工法」の2つ
- 下地処理では必要に応じて吸水調整を行うと同時に、平滑性を確保して亀裂をなくし、汚れを取り除くことが重要
タイルの下地処理は、タイルをきれいに張るのはもちろん、張ったあとのトラブルを防ぐためにも重要な作業です。タイル張りの成功を左右するといっても過言ではないため、今回ご紹介した施工方法や注意点を理解して、正しく効率的に施工してください。
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