
特殊形状の「役物タイル」とは?主な種類やきれいに張るためのポイントをご紹介
タイル施工の設計において開口部や隅角部といった「端部」の処理は、仕上がり品質を決定づける重要な要素です。端部の処理が不適切だと、タイルの断面(小口)が露出して意匠性を損なうだけでなく、角の鋭利な部分による破損やケガのリスクを招くことになります。
役物(やくもの)タイルは、こうした平物タイルでは納めにくい部位のために用意された特殊形状のタイルです。建築のディテールを美しく、かつ安全に整えるために不可欠な建材といえます。
この記事では、役物タイルの定義、代表的な種類、そして現場で美しく張り上げるための設計・施工上のポイントについて解説します。
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開口部や隅角部に使用|役物タイルとは?
役物タイルとは、平物タイルだけでは納まりにくい開口部や隅角部、床の段鼻などに使用する、特殊な形状のタイルです。
役物タイルが担う役割としてまず挙げられるのは「連続性のある美しい仕上がりの担保」です。タイルの断面(小口)を隠すことで、正面から側面へと素材が連続しているような一体感のある表情を作り出せます。
また「安全性の向上と欠けの防止」も役物タイルの役割です。角を丸めた形状(面取り)の役物タイルを用いることで、衝撃によるタイルの欠けを防ぐとともに、歩行者や居住者が角に触れた際の安全性を高めます。
加えて、役物タイルには「メンテナンス性の確保」という役割もあります。汚れが溜まりやすい入隅や段差にアール形状の役物タイルを使用することで、清掃性が向上し、衛生的な環境を維持しやすくなります。
役物タイルの主な種類
役物タイルには多種多様な形状が存在します。タイル施工の際は、用途と納まりに合った形状の役物タイルを選択することが重要です。
▼役物タイルの主な種類
押さえておこう!役物タイルを美しく張るためのポイント
役物タイルは端部に使われるため、目立つ場所に張るケースが多い上に、平物タイルとの取り合いが重要です。設計段階での緻密な検討が、最終的なディテールの完成度を左右します。
平物タイルとの目地合わせを徹底する
平物タイルと同じシリーズの役物タイルでも、形状や寸法がわずかに異なる場合があります。そのため、平物タイルだけで割付けを作ると、端部で目地が揃わなかったり、不自然な細切れタイルが発生したりすることがあります。
役物タイルを起点に逆算して割付けを行い、目地ラインを通すことで、端部の乱れを防げます。
(+α)役物がない場合の代用策は留め加工
すべてのタイルに専用の役物がラインナップされているわけではありません。役物がない場合は、タイルの端を45度に精密に削り、突き合わせて角を作る「留め加工(45度カット)」を検討します。また、見切り材を使用して端部を保護・装飾する手法も有効です。
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内装壁・外装壁・床に分けてご紹介!LIXILのおすすめの役物タイル
LIXILでは、施工部位ごとに適切な機能と意匠を備えた役物タイルを豊富に揃えています。ここでは内装壁・外装壁・床に分けて、おすすめの役物タイルをご紹介します。
内装壁

内装壁には『インテリアモザイク 窯変ボーダー』がおすすめです。平物タイルのほか、「100×15mm角ボーダー片面取」の役物タイルがあるため、断面(小口)の露出を防ぎながら、柔らかい納まりで仕上げることができます。

このほか『カウンター役物』もおすすめです。タイルキッチン向けのカウンター用タイルであり、水まわりの意匠性を高められます。
外装壁

外装壁には『火色音(ひいろね) 土もの』の「標準曲(接着)[セミ面]」「二丁屏風曲(接着)[セミ面]」などがおすすめです。平物タイルと連続する納まりを実現できるため、仕上がり品質の向上が期待できます。
床

床には『ヴィコレ グラニカル 外床タイプ』がおすすめです。「300×100mm角垂れ付き段鼻(外床タイプ)(接着)」がラインナップされているため、床と階段を同じタイルで統一しやすくなっています。

階段の先端には『段鼻 KN/1』の使用がおすすめです。外装階段の視認性と安全性を確保しつつ、耐久性に優れた階段端部を実現します。

『ピアッツア OXシリーズ』にも「100mm角垂れ付き段鼻」「100mm角垂れ付き段鼻隅(接着)」があり、複雑な階段にも対応しやすくなっています。
まとめ
この記事では、役物タイルについて以下の内容を解説しました。
- 役物タイルは、開口部や隅角部を納める特殊形状タイル
- タイルの小口を隠して意匠性を高め、角の破損やケガを防止する
- 面取り、曲がり、段鼻など、部位に応じた多様な形状がある
- 役物タイルを施工する際は、役物の寸法を基準に割付けを行い、平物タイルとの目地を揃えることが重要
- 役物がない場合は留め加工や見切り材で代用する方法がある
役物タイルは、開口部や隅角部など平物タイルでは納まりにくい部位を仕上げるための特殊形状タイルです。断面(小口)を隠して意匠の連続性を作り、角部の欠けを抑えることで耐久性や安全性にも寄与します。
役物タイルにはさまざまな種類があり、施工部位に応じた使い分けが必要です。美しい仕上がりのためには、役物タイルを起点にした割付けと目地合わせが求められ、役物がない場合は留め加工や見切り材の検討も重要になります。
LIXILの豊富な役物バリエーションを活用し、平物タイルとの緻密な割付け計画を行うことが、プロフェッショナルなタイル設計への第一歩となります。ぜひお役立てください。
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